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仏教行事のおはなし

高祖降誕会(350)

仏教学部 教授 佐藤 秀孝

曹洞宗の高祖と仰がれる道元禅師(1200-53)は鎌倉初期に生を受けられた。8歳のとき母の死去に遇い無常を感じ、13歳で出家を決意された。比叡山(ひえいざん)から建仁寺を経て入宋し、天童山の如浄(にょじょう)禅師(1162-1227)の法を嗣いで帰国している。京都郊外に深草興聖寺(ふかくさこうしょうじ)を開いたが、やがて越前(福井県)に入り永平寺を拠点とされた。

道元禅師は深山幽谷(しんざんゆうこく)を愛し、弟子たちと共に黙々と只管打坐(しかんたざ)を行ぜられた人である。しかしその反面、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』をはじめ膨大な著述を残され、仏の正しい教えとは何かを縦横無尽に説き示されている。道元禅師は菩薩行の実践を強調され、御自身の生きた時代のみでなく、遠く後世の我々に対しても正法を語ってくれている。その御蔭でいまも駒澤大学では道元禅師の仏法を学ぶことができ、研究も盛んに行なわれている。

1月26日は道元禅師の誕生日(高祖降誕会)であり、坐禅の実践と正伝の仏法はいまも輝きつづけて止まない。

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※ 本コラムは『学園通信350号』(2022年1月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。

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