
駒澤大学とシーメンスヘルスケア株式会社は、同大の駒沢キャンパスに「駒澤大学-SIEMENS Healthineers 画像診断人材教育センター」を共同で設立することに合意しました。この人材教育センターは、診療放射線技師など、CTやMRIといった高度な画像診断に携わる人材の育成を目的としたものです。医療機関で実際に使用されている同社の実機3台が設置され、本学では主に医療健康科学部の演習や研究に使用されます。
シーメンスヘルスケアの画像診断装置を用いたトレーニングセンターの設立は日本初であり、なかでも同社の「X線CT組合せ型SPECT装置」を使ったトレーニングができるのは、アジアでもここだけです。

シーメンスヘルスケアはドイツに本社(Siemens HealthineersAG)を置く世界的な医療機器メーカーです。創業は1847年。ヴィルヘルム・レントゲンがX線を発見した翌年(1896年)には世界で初めて工業的に製造された医療用X線管を製品化し、X線の医療現場への普及に大きく貢献しました。その後も世界初の技術や独創的なソリューションを数多く生み出し、CTやMRI、X線装置などを含む画像診断機器分野では世界トップのシェアを誇るリーディングカンパニーです。

駒澤大学と医療機器メーカーとのこのような連携は、今回が初めてではありません。2018年に放射線治療機器の世界的メーカーであるバリアン メディカル システムズ(以下バリアン社)と共同で「放射線治療人材教育センター」を設立し、同社の実機を用いた教育・研究活動を実施してきました。これまでに、多数の研究論文の発表、大学院入学者の増加、「医学物理士試験」の合格率向上といった成果を上げ、放射線治療分野における教育・研究拠点として高い評価を受けています。
医師の指示の下に、人体に対して放射線を照射する診療放射線技師には「放射線診断」と「放射線治療」という、二つの領域の技術や知識が求められます。今回の連携事業は、バリアン社との連携を通じて培ってきた治療分野での教育・研究体制を診断分野へと拡大するものであり、これによって二つの領域を網羅した実践的な教育・研究環境が実現します。
また、医療健康科学部のみならず、MRIを用いた脳活動の研究、X線装置を用いた歴史的文化財の非破壊検査、スポーツ科学への画像診断の活用など、文理の枠を越えた研究への活用にも期待が寄せられています。
今回の産学連携事業は、本学だけでなく、少子高齢化や医療従事者の不足が深刻化する日本社会全体にとっても大きな意味を持っています。駒大PLUSでは、本連携事業が成立した経緯やその意義について、今後3回にわたり、「理念」「技術」「教育」をテーマにお伝えしていく予定です。
